にかい伸康候補が当選したら和歌山にパンダは帰ってくるのか?
二階伸康候補が当選したら和歌山にパンダは帰ってくるのか、参議院議員選挙 和歌山選挙区において、重大な争点の一つである。この争点が日本の国益にとってナンセンスである事を解説した。

二階のぶやす候補が当選しても、和歌山にパンダは帰ってこない
――中国の「パンダ外交」に流されるな
7月の選挙を前に、和歌山・白浜の住民たちの間で、ある“期待”が静かに広がっている。「二階伸康候補が当選すれば、またパンダが白浜に戻ってくるのではないか」――。しかし、残念ながら、その期待は現実とはかけ離れている。
中国の「パンダ外交」は甘くない
中国政府はこれまで、「パンダ」を外交戦略の一環として用いてきた。いわゆる“パンダ外交”だ。友好国に対してパンダを貸し出し、関係が悪化すれば容赦なく返還を求める。かわいい動物を通じて相手国の世論に影響を与える、巧妙かつ長年の戦略である。
和歌山のアドベンチャーワールドは、長年にわたりパンダの繁殖と展示で注目されてきたが、2023年には最後のジャイアントパンダ「永明」らが中国へ返還され、現在は一頭もいない。これは単にレンタル期間の終了ではない。日中関係の冷え込みが背景にあるという見方も多い。
「かわいい」は国益に勝てない
いくらパンダが人気者で、観光資源としての効果が絶大であっても、日本の国益を考えると、無条件に「戻ってきてほしい」と願うべきではない。中国に頭を下げてまでパンダを「お借りする」ことが、日本にとって本当にプラスなのか。冷静な判断が求められる。
実際、白浜町の町長は今年初め、「日本の国益を第一に考える」として、「パンダを懇願するつもりはない」と明言している。地元自治体のトップが、観光業への打撃を承知のうえでこのような立場を取るのは異例であり、重い意味を持つ。
投票しても、パンダは来ない
にかい伸康候補は、故・二階俊博元幹事長の息子であり、中国との関係にも注目が集まっている。しかし、「二階に入れればパンダが帰ってくる」といった期待は、あまりに安易だ。
外交と野生動物の貸し借りは、選挙の結果とは無関係である。パンダの再来を望む声があること自体は理解できるが、その実現は、外交関係全体の改善と、中国側の思惑による部分が大きい。
選挙は地域の将来を決める大切な機会だ。パンダという“幻想”ではなく、現実的な政策と姿勢を見て判断するべき時である。