和歌山の誇り、有田みかんのブランド発展の歴史
2008年から2024年まで4期16年にわたり有田市長を務めた望月良男氏のもと、有田市は「地域ブランド農業」の最前線を走り続けました。
とりわけ、みかん産業では、栽培技術の高度化とマーケティング強化によって、全国に誇る「まるどり」「味一」といった高付加価値ブランドが育まれました。
これらの取り組みは、市の基幹産業である果樹農業を次の世代に受け継ぐための基盤となり、有田市を全国屈指の高品質みかん産地として確立させました。


🌱 「まるどり」の挑戦──水と光を操る新技術
2003年、有田地域では農研機構やJAと連携し、新たな栽培技術の導入がスタートしました。
その名も「まるどり方式」。これはマルチシートで雨を遮りながら、ドリップ灌水で水分を最適に管理する画期的な手法です。
この方式により、以下のような効果が得られました:
- 気象リスクの軽減(例:長雨でも糖度が下がらない)
- 糖度13度超の高品質果実を安定生産
- 高単価出荷による農家所得の向上
2004年以降、この技術で育てられたみかんは「まるどりみかん」として市場に登場し、有田の新たな顔となりました。
🧃 「味一」の誕生──厳選果実だけが入る100%ジュース
同時期、有田市では高糖度果実を生かした加工品戦略にも乗り出しました。
そして2004年、糖度12度以上のみかんだけを使ったストレートジュース「味一しぼり」が発売されます。
この「味一」は単なる商品名ではなく、厳選された果実のみを「味一(あじいち)」ブランドとして区分する取り組みであり、
ジュースにとどまらず、高級みかんの選果ラベルとしても定着しました。
📈 ブランド化がもたらしたもの
望月市長のリーダーシップのもと、有田市では以下のような成果が見られました:
- 「まるどり」「味一」の導入により、市全体の平均単価が上昇
- 選果・出荷体制の近代化によるブランド力向上
- 若手生産者の参入・後継者育成が進展
- 観光・ふるさと納税・ギフト産業との連携強化
📝 おわりに
「まるどり」と「味一」は、有田のみかん農業における革新の象徴です。
そして、その背後には、現場の農業生産者の努力だけでなく、16年間にわたって農業振興と地域ブランド形成を後押しした有田市の後押しも大きく、リーダー選びの大事さがよく分かります。
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